8月17日、株主総会を円滑に協力してもらうため、植木のリース取引の名目で2年半の間に二千万以上の資金が総会屋に流れていたことが発覚。97年の四大証券利益供与事件で大企業と総会屋との癒着が問題視されたが、いまだ、そうした関係が払拭しきれていないことを示す事件となった。
1998.08.17
日航の利益供与 法外な植木リース料 以前から癒着のうわさ
1998.08.17
日航役員らが利益供与 総会屋へ2200万円 商法違反容疑
1998.08.18
日航の利益供与事件 認識甘かった… 日航・兼子社長が謝罪
1998.08.18
日航利益供与事件 小笠原容疑者側に7、8社が振り込み トヨタ、日産も
1998.08.18 日航、供与総額8000万円 商法違反容疑で総会屋ら2人逮捕
1998.08.18 日航利益供与事件 総務部に文書で報告 窓口の調達部が毎年の契約更新時
1998.08.19 利益供与事件 日航から事情聴取 経団連、起訴なら処分も
1998.08.19 日航利益供与事件 前役員ら3人を書類送検
1998.08.19 日航利益供与事件 植木リース実績ゼロ 偽装工作のダミー業者か
1998.08.20 日航が総会屋系代理店と取引 サッカーJAL杯広告で
1998.09.01 日航の利益供与事件 逮捕の総会屋グループ幹部、容疑認める
1998.09.08 日航利益供与事件、総会屋らを商法違反で起訴
1998.08.17
日航の利益供与 法外な植木リース料 以前から癒着のうわさ
華やかなイメージの裏で、日本を代表する航空会社が、総会屋との癒着を続けていた。十七日、明らかになった日本航空の総会屋に対する利益供与疑惑。模造の植木のリース取引で二年半の間に、二千万円以上の資金が総会屋に流れていたことが確認されているが、リース料は正常な取引額を超えた法外なものだった。
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摘発年月
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企業名
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事件の概要
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92年10月
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イトーヨーカ堂
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総会屋3人に現金計2740万円を渡したとして常勤監査役ら2人を起訴
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93年 7月
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キリンビール
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総会屋42人に現金計4600万円を渡したとして総務部審議役ら4人を起訴
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96年 6月
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高島屋
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暴力団幹部ら2人に現金計1億6000万円を渡したとして元専務ら4人を起訴
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97年 3月
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味の素
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総会屋6人に現金計610万円を渡したとして 総務部長ら2人を起訴
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5月~10月
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野村証券など4大証券
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総会屋に計約7億円の利益をつけかえたとして元社長ら4社で計20人を起訴
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6月~7月
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第一勧業銀行
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総会屋にノンバンクを通じて約118億円を融 資したとして前会長ら11人を起訴
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10月
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松坂屋
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総会屋に商品券など95万円相当を渡したとし て秘書室長を起訴
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10月~11月
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三菱自動車工業など5社
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海の家の利用料名目で総会屋2人に計2230万円を渡したとして取締役ら計8人を起訴
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12月
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東芝
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研修所の利用費名目で総会屋に計600万円を 渡したとして渉外担当グループ長を書類送検、起訴猶予
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1998.08.17
日航役員らが利益供与 総会屋へ2200万円 商法違反容疑
「日本航空」の幹部が指定暴力団系組幹部の総会屋に、株主総会の円滑な進行に協力してもらうため、模造の植木のリース名目に、九五年秋以降、約二年半の間に総額二千二百万円の不正な利益提供をしていた疑いが強まり、警視庁捜査四課は十七日、総会屋ら二人について、商法違反容疑で取り調べを始めた。
容疑が固まり次第、逮捕する。日航幹部も任意の事情聴取に対し、容疑を大筋で認めており、同課は幹部三人を書類送検する。
商法違反容疑で取り調べを受けているのは、都内の指定暴力団系の組幹部で総会屋グループ幹部と、現金の振り込み先になっていた都内の会社社長の二人。
また、事情聴取を受けているのは、日航の総務担当役員と総務部長、前株式グループ次長。
調べによると、日航役員らは株主総会の議事の円滑な進行に協力する謝礼の趣旨で、九五年九月から今年三月までの二年半の間に、総会屋グループ側の銀行口座に、模造の植木のリース料として総額約二千二百万円を振り込んだ疑いが持たれている。
日航側は今年春にリース料の支払いを打ち切っている。
この銀行口座は総会屋グループの系列会社名義になっていた。
この会社は八五年に設立され、実際に模造の植木を日航本社などに納入していたが、リース料は、市場価格よりも高額で、同課は、不正な利益提供とみている。また、この口座には複数の大手企業からも振り込みがあり、総会屋が企業から資金を受け取るためのダミー会社だった疑いもある。
警視庁の調べによると、この口座に日航から振り込まれたのは利益供与罪の時効(三年)にかからない部分で、九五年秋から九六年暮れまでの間に約千百万円、九七年一年間で約八百万円。
総会屋グループは、港区内に事務所を置く経営コンサルタント会社を中心に、七〇年代から活動している古参総会屋グループ。
同社広報部は「大変申し訳ない。昨年度まで支払っていたのは事実だが、昨年度で契約を打ち切った」としている。
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1998.08.18
日航の利益供与事件認識甘かった…日航・兼子社長が謝罪
兼子勲・日航社長は十七日午後、東京都品川区の日航本社で会見し、「世間を騒がせて大変申し訳ない」と謝罪するとともに、総会屋グループとの関係について「(総務担当者の)当時の感覚では利益供与に該当するとの意識が希薄だった」と認識の甘さを認めた。
さらに「当局からの指導もあり、昨年度末、疑わしい契約として解約したが、(それまで)継続していたことについては企業の社会的責任に照らし誠に遺憾だ」と語った。
また社長と副社長の報酬を、来月から三か月間、一部カットすることを明らかにした。
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1998.08.18
日航利益供与事件小笠原容疑者側に7、8社が振り込みトヨタ、日産も
日本航空の総会屋に対する利益供与事件で、逮捕された総会屋グループ「森本企業調査会」幹部、小笠原均容疑者(51)がダミーとして使っていた植木リース会社「泰平」(東京都目黒区)の銀行口座には、日航以外にも、トヨタ自動車や日産自動車、証券会社など七、八社から振り込みがあったことが十七日、警視庁捜査四課の調べで明らかになった。
同課は、すでに絶縁していたり金額が少ないことなどから、これらのケースの立件を見送る方針だが、大企業と総会屋のもたれあいの構図が改めて浮き彫りになった格好だ。
(本文記事1面)
これらの企業は、「泰平」の口座に月に数万―数十万円を振り込んでいた。
そのうちの一社は、日航と同じ鉢植木リースの名目で契約、年数回取り換える約束だったが、全く換えられていなかったという。
この会社には小笠原容疑者らが訪ねてきていたといい、「ほかの総会屋と違い暴力団なので怖さがあった」と話している。
また日産自動車は「昨年十月、総会屋グループとの関係遮断を宣言しており、その通り活動している。 森本グループとは現時点では関係ない」と話している。
日航、別の総会屋側にも資金
日航からは小笠原容疑者以外の総会屋側にも、生花納入などの商取引の形で現金が流れていた疑いの強いことが、同課の調べでわかった。
調べによると、日航は、総会屋の関係者が経営する都内のリース会社に、数年間にわたって年間数百万円を振り込んでいたという。
契約によると、成田空港の待合室に置く生花の納入を請け負っていた。
今年に入って取引は打ち切られているが、同課では総会屋側に資金が流れていた可能性が強いとして日航関係者から事情を聞いている。
また警視庁は、別の大物総会屋についてVIP扱いするという日航の内部文書も入手している。
今年二月に摘発された総会屋の場合も、年に何度も海外に出掛けていたが、日航機を予約すると、日航側では総務部から支店に連絡を入れ、特別扱いしていたという。
こうした疑惑について、日航は「現在は総会屋とのつきあいはない」としている。
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